サイパン三五屋商店・菊池商店 そしてよか楼

せっかくなので、前回とりあげた三五屋商店について少し調べてみようと思いました。
ですが、三五屋さんどこにもお店の紹介記事が出てこないんですよ。
わかるのはサイパン会誌に載っていた、南洋みやげのお店ということだけ。
*サイパン会誌・・戦前のサイパンに住んでいた方たちで結成されているサイパン会が発行した本。計3冊で構成。

じゃあってことで、三五屋商店があったのが現在のどこになるのか、その場所を調べてみることにしました。
調べ方は何年か前に作った動画内の方法を使っています。
三五屋商店が記載されている地図を見ます。
今回は沖縄県史の地図を使用しました。

三五屋の前の通りは二丁目通り、現在のビーチロードです。
三五屋の隣りは菊池商店、反対側は一軒おいてよか楼ですね。
よか楼は下記本にも紹介されているのでご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%A0%98%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%B3%E5%B3%B6%E3%81%AE%E4%B8%80%E4%B8%87%E6%97%A5-%E9%87%8E%E6%9D%91-%E9%80%B2/dp/4000242385
よか楼は料亭で、ここの主人の山口百次郎氏は山形出身、サイパンに渡航した日本人の先駆けの一人です。
菊池商店については菊池商店が写っている絵葉書があります。

写真中央が二丁目通り、今のビーチロードです。
写真左側、丸に十の字のある建物が菊池商店、地図を見るかぎりではその一軒手前の切妻屋根っぽい建物も菊池商店と予想されます。
菊池商店は百貨店です。
八丈島出身の菊池稔氏が菊池稔商店として始めた、本店を東京府下谷(現在の台東区辺り)にもつお店です。
問題はそのさらに手前、簡易な日よけのある建物です。
これが三五屋商店なのか、それともまだ菊池商店が続いているのかがこの写真からではわかりません。
写真の一番端に立っている看板が南洋みと読めるので南洋みやげと推測され、この看板はほぼ間違いなく三五屋商店のものと考えられます。
お店については写真の一番手前の建物、または看板よりもさらに手前の写真に写っていない場所のどちらかになります。
残念ながらこの写真からはこれ以上はわかりませんでした。
個人的には写真左寄り、通り沿いに立っている人形? 像?が一番気になっています🕵️
で、沖縄県史の地図と1944年の空撮写真を重ね合わせた結果
三五屋商店のあった場所は現在のここ。

おいしいタコスのお店The Hutのある建物ですね。

三五屋商店はこの建物左半分くらい、右半分が菊池商店があった場所と推測されます。
菊池商店のあった場所はこんな感じ。

かなりの大店だったようで敷地が広いので、隣りのWild Bills もすっぽり入ります。

そして山口百次郎氏のよか楼はここにありました。

よか楼はこの敷地の奥のほうまでずっと続いていました。
